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とうとう投げちゃった。

彼女との話し合いは依然として取り付く島がなく、
私は波に飲まれてアップアップしながら、
遥か遠くに見える参観日当日のたたき台を作ろうとしていた。
日常は休む暇もなく流れ、そんな中で会話の一つもなかった。
保育室の空気は張りつめたままだ。
それでも一つの案を彼女に提案し、同意を得た上で園長先生にも相談。
しかし、年齢の発達に合っていないとの指摘を受け、
練り直すことになった。
また彼女と相談しなければならない。

もうその頃には、私はとことん消耗しきっていたように思う。
数ヶ月たち、こうして振り返って文章にできるようになっただけ、
私は回復していると思うのだ。

あの頃は、毎日が空虚でつらくて仕方がなかった。
多分、表情も、いつも曇っていたと思う。
それどころか、幽霊のような顔をしていたのではないかと思われる。
園長先生が、「無理をしないで休んだほうがいい」と言ってくれたのだ。

だけど、参観日を、彼女に丸投げして休むなど、あんまりではないか。
当日まであと1週間だというのにまだ、何も準備が出来ていないどころか、
話し合いさえできていないのに。
「参観日が済んだら、休ませていただきます」と私は言った。
けれど、園長先生は「先生の体のほうが心配だから、休みなさい」と。
そんなやりとりを何度かしたが、休むことを強く勧めてくれたので
正直なところ私は「この状況から逃げ出せる」と安堵した。
仕事への責任感よりも、疲れ果てた自分の気持ちの方が勝ってしまった。
少しの間、ためらう気持ちと戦ってみたが、
もうこれ以上、頑張れるとは思えなかった。
「申し訳ありません。よろしくお願いします。」
参観日のたたき台だけを渡し、私は明日から休むことにした。
諸々の私物をまとめ、暗い道を帰途についた。
この通勤路を、明日から重い気持ちで通うことはなくなるのだ。
とにかく、もう何もしたくない。何も。何も。


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共通テーマ:日記・雑感

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